このコーナーでは、かつて私たちACが感じた親や社会への憤りや復讐の念を、いま同じ境遇にいる人々を救うため、またかつての自分たちの虐待的な家庭を生み出すもととなった社会を変えていくために振り向けてみよう、という「ポジティブ復讐」をコンセプトに、ボランティアなどのさまざまな活動を提案しています。

もし「子ども虐待?」と思い当たったら…

児童福祉法第25条には「要保護児童発見者の通知義務」が定められています。これは、虐待などを受けていて保護される必要がある18歳未満の子どもを発見した場合、発見者は福祉事務所や児童相談所に通報しなければならない、という義務です。

下は、『子どもの虐待防止センター』による「児童虐待通告書」のフォーマットです。ご自由にダウンロードして使ってください。
「児童虐待通告書」フォーマット(MS Wordファイル/20KB)

通告書の所定欄に項目を記入して、地域の児童相談所へ直接提出またはFAXします。

「虐待?」と思ったら通報して、もし虐待の事実が誤解だったとしても(故意のいやがらせや事実とまったく異なった通報でないかぎり)、通報者は法的責任を問われないことになっています。

公共機関への虐待通告の場合は通告する人の氏名・住所なども明示する必要があります(通報者のプライバシーは守られます)。
もし匿名で通報したい場合は、下のリンクに挙げたような民間の団体へどうぞ。


STOP! 子ども虐待

「子どもの虐待を防止する」ことは、私たちACがもっとも直接的に、無力だったかつての私たち自身の憤りを行動に変えてゆける道なのではないかと思います。

虐待問題がしだいにクローズアップされてきた現在、全国の虐待防止のためのNPO組織数も増えてきました。多くのこういった組織では、虐待された子どもや虐待をしてしまう親といった当事者のための電話相談、啓発のためのニュースレター発行、虐待通報・子どもの保護のためのネットワーク作りなどを行なっています。

これらの組織への協力方法としては、「ボランティアメンバーになる」ことと「賛助会員・寄付」など資金面で協力する方法があります。

長い間「家族はあたたかい愛情にあふれているもの」という、世間に流布している家族愛の物語になれ親しんできた私たちにとって、「虐待」というといかにもショッキングで、世も末か…的な感じがしますが、むしろ「家族はあたたかいもの→“虐待”なんかあるはずがない」という「家族愛神話」によって、虐待の問題はこれまでただ単に表面化されずにひたすら包み隠されてきただけだったのではないか、あるいは虐待された側が「あれは虐待だったのだ」と認識できなかっただけなのではないか、という気がします。

家族がそこそこ温かく安全な場所として機能していればベストですが、現実にそうでない家族に対して「家族は温かいものであるべき。虐待なんかあるはずがない」という神話を押しつける以外に何もしない「家族イデオロギー」こそが、子ども虐待の状況を悪化させているように思います。「家族こそは清く正しくうるわしいものであるべき。そうでなかったら異常」で終わってしまうならば、何が起こっても「父の威厳はどうした」「母性愛はないのか」「子供を叱れない/愛せないなんて」…と、その家族にだけ「「あたたかい家族」を完璧にやり通せなかったこと」の責任を追及して、世間はそこで知らんぷり、で終わってしまうでしょう。そうしてますますそのような虐待問題を抱えた家庭は世間の非難・叱責を恐れて孤立してゆくか、「虐待」という認識のないままに虐待をエスカレートさせていくか、どちらかの道をたどるでしょう。

むしろ大切なことは、「虐待がそこにある」という現実、「安全でない家族も世の中には多くある」という現実を認めて、もしそういうアンラッキーな家族に生まれて、虐待というアンラッキーな目に遭っても、ちゃんと助けてくれる世間がある、そんなふうに言い切れるくらいにセーフティネットの充実した世の中をつくることなのではないか。そしてまた、「虐待をしてしまう」という親自身が自分の問題を打ち明けることのできる環境を整えることなのではないか。虐待・AC問題は必ず連鎖するとは限らないにせよ、虐待をしてしまう加害者の親自身が、かつて同じことをされ、そのようなパターンを学習してしまった被害者であった、という可能性は大いにあるのだから。そんなふうに思います。


子どもの虐待防止センター
東京都を中心に、電話相談、福祉機関との連携、講演会などを行なっています。
賛助会員・寄付を随時募集。賛助会員は1年間1口5,000円。

北海道子どもの虐待防止協会
北海道・札幌を中心に活動している団体です。
入会は事務局まで連絡を。年会費は正会員5,000円、学生会員2,000円。賛助会員は1口10,000円〜。

子ども虐待防止ネットワーク・みやぎ
宮城県の仙台市を中心に活動している団体です。
会員・寄付を随時募集。年会費は個人1口3,000円、団体1口5,000円、学生1口1000円、法人1口30,000円。

子ども虐待ネグレクト防止ネットワーク(CMPN)
神奈川県を中心に活動している団体です。
正会員は入会金・年会費各5,000円。賛助会員は入会金・年会費各3,000円。

子どもの虐待防止ネットワーク・あいち(CAPNA)
愛知・名古屋を中心に活動している団体です。
会員・寄付を随時募集。会員12,000円、法人会員20,000円〜、賛助会員5,000円。

児童虐待防止協会
大阪府を中心に活動している団体です。
賛助会員・寄付を随時募集。賛助会員は年会費5,000円。

子ども虐待ホットライン広島
広島県を中心に活動している団体です。
賛助会員年会費は個人3,000円、企業など団体10,000円。

子ども虐待防止みやざきの会
九州・宮崎県を中心に活動している団体です。
会員・寄付を随時募集。年会費は正会員・賛助会員2,000円、団体会員10,000円。

STOP! 児童養護施設内虐待
明るみに出たさまざまな児童養護施設内の虐待に対し、裁判などの支援活動を行なっている団体です。
カンパを随時募集しています。