よいカウンセラーの選び方

1. あなたの痛みや身に起こったことについて、「たいしたことじゃなかった」などと過小評価をしない。

2. 子ども時代に性的虐待を受けた人々の回復のプロセスについて、きちんとした知識・情報を持っている。また、知識・情報を得ようと常につとめている。

3. あなたの虐待者の問題ではなく、あくまであなた自身に焦点を合わせている。

4. あなたが自分の気持ちや感情について探索するのを見守ることができる。あなたに代わってあなたの気持ちを説明づけてしまおうとしない。

5. 加害者との「和解」や「許し」を強制しない。

6. カウンセリングの場以外のところであなたと私的な友人関係になろうとしない。

7. カウンセラー自身の個人的な問題をあなたとのカウンセリングの場に持ち込まない。

8. あなたや他のクライアントと恋人関係や性的な関係を持とうとしない。

9. あなたの感情(悲嘆、怒り、悲しみ、絶望、喜び、etc.…)を完全に尊重している。

10. 何ごとであれ、あなたの欲さないことを強制しない。(※唯一の例外は、あなたが自殺企図の危機にあるとき、あるいは他の人を傷つけようとしているときに介入することである)

11. カウンセリングの場以外にもあなたがサポートを得られる場(友人、自助グループ、etc.…)を持つことに賛成している。

12. あなたが他の性虐待サバイバーとつながりを持つことに賛成している。

13. あなたに、自分自身の世話を焼いていくためのスキルについて教えることができる。

14. カウンセリングの場で生じた問題について、あなたと話し合う姿勢がある。

15. カウンセリングの場で起こったミスについて、責任をもって納得のいく説明をする態度がある。


出典: 『The Courage to Heal』 Ellen Bass, Laura Davis著 HarperCollins

これは子ども時代に性的虐待を受けた人のために書かれた“カウンセラーを選ぶときのポイント”なのですが、「性虐待」を「AC」や「嗜癖」に変えても十分通用するのではないかと思います。
とくに日本ではカウンセラーの資格制度などもまだ十分ではなく、公私混同や、“愛情”の名のもとにカウンセラー自身がナルシスティックな支配欲に溺れたとしか思えないようなクライアントに対する強制猥褻事件、問題のある治療法、といった話も時々聞かれます。
専門家のサポートを必要とする者にとっては、「きちんとした制度ができるまで待っている」というわけにもいかない話ですから、カウンセリングを利用しようとする私たち自身が情報を交換し合い、疑問に思うことがあればカウンセラーや他の仲間に質問してみるなど、自分たちの力で「安全な治療関係」を探して築き上げていく態度が重要になってくるのではないかと思います。(蔦吉)