イノセンスの承認

イノセンスとは

あなたが生まれてきたことや
あなたが生まれてきた性別や
あなたの名前や
あなたの両親は
すべてあなたの選択を超えている

だから あなたには
それらに一切の責任がない
親が勝手にあなたを産み
あなたは たまたま女(男)であったのだ

つまり
子どものあなたには
まったく責任がない

…ということです


「暴力」の発生は「イノセンスが承認されないことに対する怒り」である。

イノセンスの承認がないところに、親がコントロールばかりして「あなたの人生はあなたのものでしょう。あんなに金を出して大学を受けさせたのに、勉強しないで勝手に落ちて、それを親のせいにするとは……」などと言ったときに、暴力は激化していく。

よく「責任」と簡単に言うが、人間はまず、「あなたには何の責任もない」ということを他者から「承認」されて初めて、「私は自分の人生に責任を負わなければならない」という「責任」が発生する。


出典: 『マンガ子ども虐待・出口あり』信田さよ子・イラ姫著 講談社