いつも相手の気持ちを考えない無理な告白をしてきた。しかも直接会ってではなくて電話で告白してしまうことが多かった。異性と話している時に,他人の目を気にしていた。「たらし」と思われたらどうしよう,と案じて。高校の時、付き合った彼女は同じ部活だった。だから気心が知れていると,勝手に思っていた(恋愛に限らず,同じ組織に属している人に対して僕は勝手に気心が知れているだろうと思い込むくせがある。俺と同じグループだから俺のことをぜんぶわかってもらって当然だ。というように)。でも付き合った途端、僕は相手に求めることばかりだった。会話を振るのも彼女に任せた。僕は当時,こう考えていた。「告白でOKがもらえたら,もう相思相愛の仲だ」と。今、考えると大変図々しいし非常に恥ずかしい。とにかく相手に求め、相手に委ねた。
母親からは男性として見られなかった。永遠に純粋無垢な性欲のない子どもという枠に押し込まれたままだった。そのことがとても悲しい。どう悲しいのかわからないがとても悲しい。
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