最悪だった12歳の頃。
小学5,6年の担任はイヤな女を絵に描いたような教師だった。 自分の意見に従う子供は露骨にえこひいきして可愛がり、反対するものに対しては陰湿に言葉で嫌味を言う。 そいつの事が大嫌いでいつも反対派の先頭にいた僕は、目の敵もいいところ。
社会科見学で最高裁に行った時に吐かれた 「お前みたいのが、大人になってからこういうとこで裁かれるんだ」 という暴言はいまでも覚えてる。
それまで居心地の良かった学校が、一転して行きたくない場所に変わった。
家の中も父親と母親の不仲がピークに達している時期で、ひどく情緒不安定になっていった。 学校の中でも問題を起こす事が多くなって、毎日のように担任に呼び出されて説教と嫌味を言われ続けた。
そして、ある日の体育の時間前、いつものように一人だけ呼び出される。 また何か説教でも言われるんだろうと思っていたら、担任の口から出たのはこんな言葉だった。
「クラスのみんながお前の事何て言ってるか、知ってるか? みんな、お前がわがままだからもう関わりたくないって言ってるよ。」
確かに、その頃の僕は自分勝手でわがままにやってる自覚はあった。 けど、みんなと仲良くやっていけてると思っていた。 それが(恐らく見捨てられ不安を抱えていたから)この言葉を言われた瞬間に自分の中で何かが崩れた。
(みんな表面上は笑ってるけど、ホントは僕の事なんか好きじゃないのかも知れない)
そう思ったら、自分の救われる場所がどこにも見出せなくて涙が止まらなかった。 何かを言い返す気力もなく、泣きじゃくりながら外に出たのでクラスメートもびっくりしていた。
そしてその日から、周りの人間が信じられなくなった。 目の前では笑っていても、裏では自分の事を嘲っているのではないかという疑念が頭の中から離れなくなった。 同時に自分をそんな状態にした担任が憎くてたまらなかった。
自分の心をこんなにも傷つけた担任を信頼して、野放しにしている学校自体が敵に見えた。 まるで自分1人が学校全体を相手に戦争しているような、冷たい怒りと憎しみに満ちた心。 誰1人味方がいないと思う絶望感。 悲壮感と自暴自棄で荒れていく心。
それはいつしか自分自身の世界観の根底になっていった。。。
これが最低で最悪だった12歳の思い出。
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