人に、理想の親を重ねてしまうから上手くいかなかった。
ずっとそれに気付かないでいたから、過剰に期待していることすら分からなかった。 自分の親や肉親に与えてもらえなかった物を、他人に求めて。 この人こそ、この人こそと思って、勝手に夢破れ、傷つき、恨んだりの繰り返しだった。 そのことに気付いて、ある意味では楽になったけど、だからといって事態が好転した訳ではない。
もともと、埋められない寂しさや、空虚さを、知らず知らずに他人に求めていただけで、その埋められない部分は、そのまま残ってる。 もちろん、今までが分かって無かったとはいえ、良い人間関係を築けていた訳ではないから、他人との関係も良いものは無く。 心の穴もそのままだ。
だから、焦るともの凄い大きな虚無感が襲ってくる。 それに飲み込まれないようにするのが精一杯になる。
親しく出来る友達が出来ない、私が駄目な人間だからだろうか、きっそうだ、といった、漠然とした、しかし恐ろしいまでの強迫観念は薄らいだけれど。 むしろACである、その今までが、悲しいまでに現実としてそこにあって。
結局のところ、何だかとても悲しくて、とっても寂しくて、この穴を埋めるのは何かが分かりすぎるほど分かるから嫌になってくる。 それは、無理だと分かってきたし、それを自分でどうして行くかが課題だし。 でも、出来ることならと淡い期待をするのは、もう処世術の一つだろうか。
寂しいから、期待する、そして怖くなる。 なにもかも、寂しさのせいなのかなと思う。
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