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私たちの物語 - 鏡の中の「私」(フィクション等)・過去ログ No.41
メッセージ数:820件

<820> 真名 ■2008年04月09日 水曜日 09時18分47秒
走れ妄想族〜7〜


何日も、何日も、私は彼のことを考え続けた。
あの日のように、また彼の腕の中にいられたらいいのに。
でも、彼にも、私にも、恋人がいるのだ。
忘れなくてはいけない。
あきらめる決意をしたのは、私が今の恋人を裏切りたくないと、はっきり気づいたから。
Rくんのことは好きだけど、彼を裏切ることはできない。
そう考えての決断だった。
理由を告げることもなく、また彼の前から姿を消す。
本当は、もっと話してからお別れしたい。
でもそれはできないし、会えばまた会いたくなるだろう。
キャンプファイヤーの火に、どんどん薪をくべることになってしまう。
そうすれば、炎はもっと燃え盛ってしまってしまうのと同じだ。
私は今、心の中で燃える炎を見つめている。
とても大切な、大切な火だけど、消えてしまうまでを見つめている。
名残惜しく、悲しい。
だけど私はそれを受け入れることで、成長できるだろう。
大人の痛みを知った気がした。
<819> 真名 ■2008年04月09日 水曜日 09時05分39秒
走れ妄想族〜6〜




今朝のテレビの星占いでは「気になる人に連絡を」
と言っていた。
とっさにR君のことが頭に浮かんだ。
でも、電話なんてできるはずがない。
それに私は彼の新しい電話番号を知らない。
彼に会いたい気持ちを我慢して、私は仕事に出かけた。
通勤途中のエスカレーターの上でも、職場に着いてからも、仕事中も、彼のことが頭を離れなかった。
頭の中ではずっと、彼の曲が流れていた。
『会わなくなれば忘れられる』
そう思っても、次の瞬間には彼に対する愛しさがこみ上げてくるのだった。
時間が長く感じられ、いつもよりミスも多かった。
それでも何とか一日は終わり、私は駅まで急いだ。
急ぐ理由はなかったけれど、私の足取りは早かった。
途中のY駅で降りて、西口へ向かった。
私が初めてRくんに会った場所だ。
今でもこの場所に来ると、彼が路上ライブをしていた姿が目に浮かぶ。
懐かしく、愛おしい、大事な気持ち、感覚。
私は販売機でコーラを買って、ベンチに座った。
それからバッグからi-podを出して、彼の曲を聴いた。
悲しく、美しいバラード。
この歌の「君」は、きっと私のことだろう。
詞の内容からそのことがわかる。
『私だって、素直に好きって言えなかったよ』
好き同士だったのに、うまく触れ合えなかった。
切ない、恋の歌。
彼の優しさがあふれている。
私のことは責めずに、自分を責めている。
私は改めて彼の愛の深さに気づいた。
控えめな表現の人だったけれど、確かに私のことを愛してくれていた。
どうして私はそのことに気づかなかったのだろう?
いや、あの頃の私は、自分に自信がなくて、相手が「好き」と言ってくれなければ、不安でたまらなかったのだ。
若かったこともあって、言葉に重きを置いていた。
だから、彼の気持ちに気づいても、わからないふりをしていたんだ。
今だったら積極的に関係を築いていくこともできるのに。
そんなことを思うと、急に私は悲しくなった。
空が暗くなってきて、気持ちは余計に不安定になり、寂しくなった。
私は頓服の薬を飲み、電車に乗って家路に着いた。
<818> 真名 ■2008年04月09日 水曜日 07時46分46秒


ときめきを感じる
刺激的な人
君は私と違っていて
控えめで慎重
私は感情がすぐ表に出ちゃうから
君みたいにカッコよく振るまえなくて
恥ずかしいよ
でも君は そんな私にあたたかい視線を送ってくれる
優しい微笑み
また君を好きになる
好きになる
好きになる
<817> けんと 改め まさ ■2008年04月09日 水曜日 05時51分56秒
感じて表現して生きる(FB注意です)

 感じて表現して生きる。男性である俺にとっては課題だ。

 自分の感情を時々モニタリングしないと、壊れたPCの様になる。

 元々仕事ロボットだった俺は、感情に関係なく生きることができるので、

 不要なことだと思っていたんだ。

 もちろん、ある会社に勤めていたときは、短い休憩と昼飯の時は、同僚と話すが、仕事に関するアドバイスをよく聞いていたんだ。

 阪神地方出身の先輩は、俺があまりにも無口なので怒った。もっと話せと。

 その当時、結婚前提で付き合っていた彼女の提案で、俺は起業していた会社をたたんでの就職だったので、複雑な思いでいた。

 まあ、今から約6年前の話。その彼女は結婚していると風の便りで聞いた。

 昔のことより今のことだな。

 過去と今と未来。この時間的な流れの中に俺はいて、俺の感情の焦点は現在にある。そうしないと過去の出来事に囚われて、フラッシュバックの嵐に飲み込まれてしまう。

 心傷ゆえに、仕方が無いのだが、傷を眺めて、原因を探り、俺は最近特定できた。

 セルフカウンセリングをして、母の胎内にいた時、父と母の喧嘩を聞いた記憶が出た。その時に、父は母の腹を殴り、俺はショックを受け、俺の右腹はへこんだんだ。その証拠に、現在の俺の右腹は不自然にへこんでいる。

 まあ、DVだったんだな。優しい父も、母の煮えたぎらない態度に怒りを感じたんだな。

 よくこんな二人が結婚したもんだ。感情的な未熟な男女の結婚。

 俺が誕生した要因はもちろん、関係があったと言うことだが、

 20代で簡単に性関係を持つのはどうかと思う。

 避妊してもできる可能性がある。

 だから、俺は簡単に寝ない。

 自分の経済能力が無い今は、ものすごく慎重だし、

 女性は、ハグして、満たし、俺は俺なりの対処で関係を持つのを伸ばすことができる。

 今の彼女さんは、かなり内気なので、電話番号を渡してもかけて来ない。

 まあ、俺にとっては驚きだったけど、かえって都合がいいと感じる。

 今はたくさんのことをして、特にセルフカウンセリングの勉強をしている。

 俺は集中したいので、いい意味で彼女を忘れる。

 これがいい結果を生んでいるんだ。

 不思議な話しであり、彼女にはカウンセラー(ボランティア)

 と言ってあるので(入院で知り合った時に)

 その勉強をして資格を取れば、当然、彼女は喜ぶ。

 まあ、心の底のことを書けば、彼女のケアに備えているとも言える。

 カウンセリングは、自分との関係をいい状態に保つのが原則。

 この時間と距離のある関係は、俺の望みだったのだなと感じた。

 寂しいけど、俺は彼女のことを思い、よく祈る。

 祈りとは宗教時代に学んだが、かなりの確立で相手に届くコミュニケーション。恋愛の関係になると効果はてきめんだ。

 以前に付き合った女性ともそんな感じがあり、俺の場合、額が寒くなる。

 そう感じると、インスピレーションが天から降ってきて、前の前の彼女に即効で電話して、

 君、なんか俺の隠しているだろう?聞いて、相手はかなりびっくりしていた。

 まあ、こいつは不倫していたんだ。二股だった。かけられたのは俺。

 ああ、今でも思い出し、泣くこともあるな。

 恋愛と言うのはギャンブルだから、交際中にいろんなことがある。

 俺がそっけないと、相手によっては元彼と拠りを戻す。

 この女性は電話での会話で、前の彼氏の職場の電話番号を探したと言った。

 俺は切れそうになった。

 当たり前だ。そんなことを正直に言われても、俺は彼氏じゃないのか?

 そう言いたかった。俺は不安を訴えた。

 彼女は、まさくんのところには必ず返ってくるよと言う。不敵な声で。

 今思えば、これが統合失調症の女性の感覚なんだ。

 精神看護マニュアルに載っていた。

 今となれば、これも事例扱い。

 こういう風に振り返り、感情を想起し、考え直すことで、回復が進む。

 これからいろんな事例の遭遇するだろうな。

 人の数ほど事例がある。

 そのつど、いろんな感情を向き合い、先輩のPSWの助けを借りるだろう。

 そうして、俺は成長してゆく。
<816> 真名 ■2008年04月09日 水曜日 05時39分16秒
私は迷っている。
彼にすべてを話してしまうか、話さずに永遠に秘密にしておくか。
彼にとってはどちらがいいんだろう?

この問題は解決するのか?
一人で苦しまなくてはいけないことなのか?
いや、彼以外の誰にも言えない。
となると、一人で苦しみ続けるか、彼に話すかの2つしかない。
答えは出ない。

苦しいのは嫌だ。
でも、彼を苦しめるのも嫌だ。

わたしはどうしたらいいのか、わからない。
<815> けんと 改め まさ ■2008年04月09日 水曜日 05時06分46秒
共感力=感情移入の能力

 以前、妹に言われたことがある。妹は俺があまりにも人の感情に鈍感であることを責めて、よく怒った。

 「なんで、私の感情がわからないの?」と妹。

 コンチキ理屈野郎の俺は、反射防衛的に、ACの知識を使っていた。

  妹も勉強をしているのだが、女は元々、共感能力を持っているのだなと感じた。

  すごくくやしかったので、当時の担当のPSWに相談した。彼女曰く、

 「男性は、感情より理屈で考えますね。それはそれでいいです。」

 ものすごく端的な答えだったな・・・・・

 それから意識的に、デイケアで女性との会話をしようと思い、比較的安定感のある、主婦を選んで、話友達になってもらった。

 この人は妹の知り合いでもあるので、冷静に俺の感情を聞いてくれた。

 他にも、デイケアのプログラムで一緒に集団で遊ぶとか、女性がいる集団に一生懸命溶け込むことで、女性の感情に焦点をあわせ、意識的に共感できる部分の拾い出しをするようになったんだ。

 意外と女性も理屈を愛する人がいることに気づき、あっ?と思った。

 男女の違いと言うより個性だなと・・・・

 また、一生懸命やっていると、遠くで微笑む、担当のPSWがいた。まるで母親のようだったな。嬉しかった。

 こんな地道な作業を繰り返し、女性のそばに安心していれるようになり、

 女性の話題についていけるようになった。

 もちろん、入っていい話題と、いけない話題がある。それは良く選ぶ。

 気がついたのは、食べる話題は、男女共通だ。また、どこどこの会社の話なんかは、いい話題。お互いに距離を創りながらも、意思疎通できる。

 こんな練習をたくさんこなし、今は違う大きな病院のデイケアにいる。

 前のクリニックで得た基礎は、このデイケアでも生きている。

 今や、このデイケアで、心理カウンセリングの勉強をしている。

 仲のいいPSW男性には話した。とにかく、資格だけは取ると。

 たくさんの人との会話で、特に女性たちと喧嘩になったことがある。

 あちらが共依存してきたので、俺はその場で、その相談はPSWの言ってといたのだ。俺はメンバーの一人なので、相談に応じたく無かった。

 また、仮にしても、この女性は安定感に欠き、よく問題行動を起こすタイプなので、俺は嫌だった。

 どこか寂しいのは目を見て分かるのだが、彼女の心の中の子供をあやすわけにはいかない。

 変に子供帰りさせると、暴走するタイプなんだ。そんなときは、叱る。

 そこまでして、俺は逃げる。後は、この女性は、好意のある年上のところの行くからだ。

 デイケア内で人間観察をしていると、日に日に、関係が変わり、あちらこちらで問題が起き、起こす人と、避ける人、冷静な人、スタッフに頼る人と別れていることの気づく。

 俺は、行くと、必ず、トランプ占いをする。そうすると冷静になり、安定感を取り戻すからね^^;

 そうしているうちに、毎度のメンバーさんが、またやっているねと来る。

 自分は楽しいことを見つけて、それを広めたから、楽しみ方の研究?をしている。自分的にはセルフケアプログラムをこさえているんだけど。

 一人遊びのいいところは、話し相手がいないときに、退屈しないことだ。

 また自分の感情の棚卸になり、いろんな考えの整理になる。

 そんな感じだ。

 心理カウンセリングの勉強も、実際的なケーススタディがある。

 事例を覚えて、デイケア内で観察し、記憶して、将来に備えたい。
<814> 真名 ■2008年04月09日 水曜日 03時33分05秒
走れ妄想族〜5〜



次の日から私は、現実感をなくして、解離するようになってしまった。
どこにいても現実味を感じないし、自分が自分であるような気がしなくて、本当につらかった。
私はそれをどうすることもできず、どう人に説明したらいいのかもわからなくて悩んだ。
無二の親友のBちゃんには、昨日あったことだけを話した。
私は昨日彼と過ごした時の細部までよく覚えていた。
彼の部屋、会話、匂い、何もかも。
「つきあっていることになるのかな?」
「でしょう。じゃなきゃ、ひどいですよ」
Aちゃんは言った。
まだ触れ合うだけなら、恋人同士ではないのか、彼はどういう気持ちなのかわからなかった。
彼を信じたい気持ちと防衛心からくる不信が両方あった。
こういう時人は苦しむ。
電話を切って、私はしばらく考え込んだ。
まだ私は、彼のことをよく知らない。
彼も私のことを知らない。
ぎこちない会話の中で、私たちは少しずつお互いを知った。
これからどうすればいいんだろう?
今までのようにライブに行くことはあったけど、デートはできないだろうなと思った。
彼はバイトとライブで忙しいから。
理解している現実と、それを認めたくない気持ちが交錯していた。
『私はライブに行って彼を応援するしかない。一番近くにいる人になろう』
私はそう思った。
彼には気持ちが通じていたと思う。
でも、彼からのアクションはなかった。
彼の歌う歌の中には『私かな?』と思う人も現れていたけれど、聞いてみるまでは確信が持てなかった。
私は複雑な思いで彼の歌を聞いていた。
しかし、日に日に私の精神状態は悪くなっていった。
彼に会うことが苦しくなってきた。
私は勇気を出して彼に手紙を出し、それから約10年、彼に一度も会わなかった。
<813> 真名 ■2008年04月09日 水曜日 02時55分33秒
走れ妄想族〜4〜



彼は気持ちよさそうに寝ていたけれど、私は明け方まで寝付けなかった。
彼の気持ちを知らなかったから。
でも、疲れていたのか、いつのまにか寝てしまっていて、目が覚めるともう起きなくてはいけない時間だった。
もう少しだけでも彼と一緒にいたかったけど、バイトに行かなくては行かない。
このときばかりはバイトを休みにしてもらわなかったことを後悔した。
でも、まさか私がR君の部屋に来ることになるなんて、想像すらしていなかったから。
急いで洋服に着替え、あまり起こしたくなかったけれど、彼を起こした。
「おはよう」
「今何時?」
彼はまだ眠りたそうだった。
「8時。起こしてごめんね」
「いいよ。今日バイトだったよね?」
「うん」
「駅まで送るよ」
「ありがとう」
彼は革ジャンだけをはおって、鍵を持った。
12月の末とはいえ、外に出ると、やはり寒かった。
彼は裸足にサンダルで『寒くないのかな』と思った。
でも、そんなことを聞くよりも、彼と歩く駅までの道を楽しみたくて、無言でいた。
彼も何も話さなかった。
駅に着いて、切符を買うためにお財布を出すと、彼がGパンのポケットから千円札を取り出して「交通費」と言った。
「え?いいよ」
私は遠慮した。
「いいから」
「ありがとう」
私は素直に受け取ることにした。
切符を買って、彼に言う言葉を考えた。
何も思いつかなくて「またね」と言って手を振った。
「またね」
彼も軽く手を振った。
改札を通って、もう一度彼に手を振った。
彼はにっこりと笑って、大きく手を振った。
私も笑顔になった。
それからもう一度だけ振り返って、電車に乗った。
彼は私が電車に乗って行ってしまうまで、見届けてくれていた。


<812> 真名 ■2008年04月08日 火曜日 03時53分24秒
走れ妄想族〜2〜




彼の部屋は6畳1間の和室だった。
古いアパートだったけど、部屋の中はきちんと整理されていて、家具や家電も立派だった。
彼は「もらいものだけど」と言って、小さな瓶に入ったワインをすすめてくれた。
「乾杯」
二人とも何に乾杯していいのか分からず、照れながら小さくグラスを合わせた。
彼といろいろな話をした。
兄弟のこと、家族のこと、仕事のこと。
恋の話だけは、お互い触れなかった。
彼はお気に入りのCDをかけてくれた。
「誰の曲?」
「トム・ウェイツ。酒飲みながら聞くと最高」
私は普段彼がひとりの時にこの曲を聞いてお酒を飲んでいる姿を想像した。
ブルースを聴きながらお酒を飲むなんて、カッコいい。
しばらくして私は手を洗いたくなった。
手を洗うのは私の習慣だから。
「その流しで」
「うん」
そう言って立ち上がると、わたしはよろけた。
と、その時、ウエストに彼の手を感じた。
その瞬間、彼に対する心のガードが解けたように思う。
その後も何杯か飲んだ。
楽しいお酒だった。
「お酒強いね」
「うん」
しばらく沈黙があった。
「ねむくなっちゃった〜」
すると彼は、押し入れから布団を出してくれた。
私が着替えたいと言うと、彼はジャージを貸してくれた。
彼に後ろを向いていてもらい、私は着替えた。
私が布団に入ると、彼はこたつで横になった。
ポンポン。
私は布団を叩いて、彼に隣にきて、とサインを送った。
彼は驚いた顔をして「いいの?」と聞いてきた。
「うん」
彼が私を抱きしめた。
「あったかい」
私は恥ずかしかった。
でも同時に、大好きな彼に触れられていることがこの上ない喜びだった。
<811> 真名 ■2008年04月08日 火曜日 03時30分26秒
走れ妄想族〜2〜



居酒屋での彼はいつになく上機嫌だった。
いつになくと言っても、私の知ってるRくんなんてほんのわずかだけど。
でも、私は彼の笑顔を見ていて、とても嬉しかった。
ずっと憧れていたRくんがそばにいる。
信じられないくらいの喜びだった。
なぜ彼が飲みに連れていってくれたかはわからなかったけど。
たくさんお酒を飲んで、いっぱい食べて、お勘定は彼が支払ってくれた。
時計を見ると、終電ぎりぎりだった。
「もしよかったらこたつがあるんで」
可愛く誘われた。
私は急いで終電に乗るか、彼の部屋に行くか迷った。
その間も彼は嬉しそうな笑みを浮かべていた。
どうしてなのか、よくわからなかった。
結局、3人で走って終電に乗り込もうとしたが、もう行ってしまっていた。
仕方なく私たちはタクシーを拾って、家に帰ることにした。
結果的に私はRくんの部屋に行くことになった。
Rくんと彼の後輩は家が近くて、彼は途中でタクシーを止めて家へ帰って行った。
彼と私は後部座席に二人きりになり、二人とも沈黙していた。
でも、そんな沈黙が心地よく感じた。
お互いの膝頭がぶつかっていた。
彼の体に触れるのは、これが初めてだった。
気持ちが興奮していた。
<810> 真名 ■2008年04月08日 火曜日 03時13分47秒
悲しい、悲しい、悲しい。
雨音がする。
きみは、いま、どこ?

きのうのスーパーの帰り、君によく似た人を見た。

『若い子とつきあってたんだな』

今もそう、思い出すのは、最後の日の天気雨。
晴れていたのに、急に降りだした。
まるで、私たちの別れのような。

あれが最後になるなんて。

観覧車がてっぺんに近づくころ、私たちは天国に近い場所にいた。
君の声、顔、手、何もかも。
すべてを愛していた。

君の愛もすごく感じていたよ。

もう少し、甘えていたかった。
君の腕の中で。
<809> 真名 ■2008年04月08日 火曜日 03時01分30秒
走れ妄想族〜1〜


ライブが終わった後、私はいつものように彼の方へ行って話しかけた。
話しかけたといっても「お疲れ様でした」とか「すごく良かったです」とか、ありきたりな言葉だけど。
先々週、愛犬の散歩をしているときに、ふと彼をお茶に誘ってみようというアイデアが浮かんで、早速彼に電話をかけて聞いてみた。
答えは「NO」だった。
お茶くらいならきっとOKしてくれるだろうと思っていた私の考えは甘かった。
思っていたより傷ついてしまった。
なぜかというと『もう彼とは近づけない』という思いがよぎってしまったから。
そんなわけで、ライブが終わってからもどこかで飲むなどということは夢のようなことだったので、一緒に帰りませんかと誘うことにした。
私は緊張していた。
「もう、帰っちゃうんですか?」
勇気を振り絞って言った言葉だった。
声が震えた。
彼は一瞬考えてから「この後スタッフと打ち合わせがあるんでよかったら一緒に」と口にした。
思ってもみない言葉だった。
『「私はもう帰りますか?」と言ったはず・・・』
自分の言い間違いに気づいたのは、ずっと後になってからのことだった。
「一緒に帰りませんか?」とストレートに誘うのが恥ずかしかったため「もう帰りますか?」と遠回しに誘ったつもりだったのだ・・・。
『もう帰っちゃうんですか?なんて、かなりきわどい誘い文句じゃない・・・』
時すでに遅し。
でも、まあいいか。
ライブハウスの入り口で待っていると、彼ともう一人の男の子が来た。
彼の後輩だと後で知った。
「スタッフと打ち合わせ」というのは彼が作った口実であった。
<808> 真名 ■2008年04月08日 火曜日 01時48分26秒
「あんたなんか、地獄の暗くて深い深い井戸に落ちて死んでしまえばいい!!」
そう思うと、少しだけ気持ちが晴れた。

「あんたは正論を振りかざしてるけど、人を傷つけないことと正論と、どっちが大切かわかるの?」

「・・・・・」

いけすかないおやじは何も言えなかった。
<807> まさ ■2008年04月03日 木曜日 05時34分01秒
孤独力=自分らしく生きる力

 一人暮らしの利点は、孤独な時間だ。

 こんな生活は約11年目で、今は人にアドバイスできるぐらいになった。

 職人時代が長かっただけに、この11年は大きい。

 職人は10年かかって親方になる。厳しい世界だ。

 この世界では意地と技術とぶつかり合いで、力勝負の世界。

 上には上がいる。俺は自分の未熟さをよその現場で知った。

 うつ状態での作業はかなりしんどかったな。

 基本的に自己責任で、出来ないところは共同作業。職人は自分の腕に自信を持たないと、生きることを否定することのなる。

 見て盗め、聞いて盗め、感じて盗め、体で覚えろ・・・現場の暗黙の学び。

 職人時代が11年だったので、今だにそう言う生き方だ。これはありがたい。

 仕事をしながら体に染み込ませる。ある親方は仕事に漬かれと言った。

 屋根屋さんだった。経験者の言葉はすごいし、新聞配達店にも同じような言葉が張ってあった。新聞配達もそんな感じだったな。

 孤独力=生きる力。自分の評価は自分で決める。かなりしんどい、でもできる。こんな作業の連続が人生かなと今は思うんだ。

 今はノートPCでブログアフィリエイトをしているけど、孤独感は無い。情報を発信し、読んで貰い、応答がある。嬉しいことだ。幸せだ。

 本を書きたいという夢は、こんな形で実現した。本と言うよりライブだね^^;

 俺の孤独感は和らいだ。後は極めるだけだな。成功したい。絶対に。
<806> 秋 ■2008年04月01日 火曜日 11時32分43秒
風が強くてなんかうれしい。
地震が来たら逃げれるかな?
もし、出来なかったらごめんなさい。
なーんて空想をよくしていたりする。

自分が変だって思っていても、旦那はそれを
人より特別でいたいだけと笑う。
そうだよ、だって誰からもほめられたことないもん。
自分で自分を守るしかないじゃん!
自作自演だとわかっていても、やるしか学んでないから。
<805> 秋 ■2008年03月30日 日曜日 14時30分16秒
もし自分にもドラマが起きるなら、
家のドアを開いたら、海だったとか全く違った世界だったとか
そういうのって面白いなぁ。
いつも、ちょっとだけの期待を持って外に出てみるけど
やっぱり絶望だけだったよ。

そうして明日もあさっても未来もいろんなドアを開け続けて
いくんだけど、どれもこれも違う。
そんな夢をみたことがあったなぁ。
一歩踏み出すことの大変さが身にしみてわかるわ。
何もなくていいことなんてないのに、進む生きていくしかない
って辛さの上で、一生を生きていかなければいけないっていう
現実があることを。
<804> マフマルバフ ■2008年03月30日 日曜日 11時26分25秒
映画評論家は詐欺師である」

日本の古い映画を観ていると映画産業はもう役割を終えているような気がします。
黒澤明監督作品も「黒澤・三船コンビ」が破局を迎えそれ以降の作品は駄作であろうと思います。彼と並び賞される溝口健二監督作品なんかも観ましたが彼の作品は「祇園の姉妹」1936年(昭和11年)が最も出来栄えがよくその他の作品は面白くないです。つまり彼の代表作はこれ一作品のみといえます。「東京物語」の小津安二郎監督作品もよくよく観ると、妻の葬儀の後に子供達がそれぞれの生活地にもどり一人取り残された老人の心境を高台から尾道の海を行く船を少し撮ってカットしているところなど、場面をカットするところで印象が地味で伝わりにくい表現もありました。
それに比べると「泥の川」のラストシーンの曳航船に引かれて去っていく船上生活船のシーンは長回しで強烈な印象が残りました。この「泥の川」の監督もこれ一作品のみが代表作になっているようでね。
映画と言うものは国家の形成期などの過程でナショナリズムの高揚としての政治的プロパガンダの役割として、あるいは娯楽作品としての共有する価値観の形成などの過程で最も光り輝いていたのであろうと思います。
ですから未だ国家としてのまとまりのもてない国家では映画が重要な役割として製作され続けているのであろうと思います。
例えばインドやフィリピンや台湾や香港に韓国や中国に、もちろんアメリカもこの範疇にはいるでしょうね。
・ ・・アメリカが何故戦争を必要とするのかという点でもナショナリズムの形成過程という視点からの追求をする人はいないようですね。この悲惨な国家にナショナリズム形成の終わりがあるとは思えません。そこが不幸な国家の恐ろしさであると思います。
このような状況下で映画評論が成り立つことに詐欺的なビジネスが生まれる土壌となっていると思います。
そもそも映画評論は監督の思想から説き起こしその作品の作られる過程から観ていかないときちんとしたことは言えないのではないでしょうか。
つまらない映画はみないことですね。

さらに男女の複雑な恋愛映画をみていると眠くなってきます。下半身の問題をむりやり上半身の問題にすりかえているご苦労が察しられ私には観ていることがしんどい事になります。これは文学作品にも言えることですがに。
<803> みどり ■2008年03月28日 金曜日 22時35分49秒
フラッシュバック注意です。
性的な表現があります。





少しずつ、少しずつ、明かされていく。
時に陽気に、時にそっと、時に重く、時に悲しく‥
それは、乾燥機だったり、眉だったり、色鉛筆だったり、、、する。
引き裂いてく。それぞれが。私に告げる。嘲笑うように。舞台の上。

お ま え は ま る は だ か だ 。

知らない人の手で、知らないうちに、
セーターを取られ、
シャツを取られ、
下着を取られ。
大切なやわらかいものを求めて、誰かの手が、私の体を這い回っている。
叫んでも、誰も応えない。
だた、たくさんの人々が、上等なスーツを着て、見てるだけ。
耐え難い屈辱。もう、死んでしまいたい。
誰かが言う。
「死ぬのはいけません。あなたに愛情がかけている証拠です。反省しなさい。」
「こんなこと、たいしたことではありません。他にももっと苦しんでいる人がいます。」
「私達は、あなたを助けてあげているんですよ。さあ、心からの感謝の言葉を述べなさい。救われなさい。」
ここは、一体どこなんだろう??
私は何処に存在しているの??
<802> 秋 ■2008年03月26日 水曜日 22時42分26秒
雷をずっと見ていると落ち着く。
あの音と光、閃光がまたたく瞬間に私生きてるな?って
自問自答したくなる。
雷の突然性もまた、魅力。
空の鈍よりとしたグレー色。
私の心の色みたいで、たまらなく好き。
何度か写真を撮ってみた。
人々が走って家に向かい、洗濯物を取り込む。

わたしは、あえてそのままで。
こんな非日常を一人うれしく、悲しく思いながら、
稲妻が何度も光り、雷鳴が轟く。
遠くなるにつれて、言い訳はなくなってしまうから。

私が私の(幼いころの)後姿をたまらなく抱きしめたくなった。
<801> みどり ■2008年03月26日 水曜日 21時37分48秒
夜、眠れず、家を抜け出した。
玄関のドアの閉まる音を聞いた、そのとたん、涙が溢れ出した。
夜の闇の中では、涙を堪える必要はない。
ぽろぽろ涙を落とすために、ただ、歩き続けた。
コンビニ、スーパー、ファミリーレストラン、幼稚園、住宅街‥
歩いて、歩いて、自分が何処にいるのか分からないし、そんなことはもうどうでもしい。
このまま消滅してしまえばいい。


ぼんやり青白い光、ふたつ、みっつ、照らされた誰もいない公園。
ここなら足を止めてもかまわないだろうか?
注意深く様子を観察してから、公園の片隅に立ってた。
おつきさま。きれい。
私が何をしたっていうの?!
くるしいよ‥

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This script written by Shintaro Wakayama.