※フィクションです。
(Cの手記) 他人から語られた自分のイメージを聞いて正直驚いた。だってそれは私自身が母に対して持っているイメージそのままだったから。これはいい。お笑い草だね!私はCではなく、リトルNだったわけだ!だとしたら、私の存在なんてなくていいじゃないか。あちらがオリジナルでこちらがコピー…そうか、私のCはコピーのCだったのかもしれないね。オリジナルが存在するならコピーは不要ってわけさ。こんなことを言えば、優しい君は言うかもしれない。だが君はその母親から今、離れて独り立ちしようとしているんじゃないか。君がオリジナルになるのはこれからさ…だとね。しかし、それはありがたい言葉ではあるが、的は射ていないんだ。残念なことに。どうしてか。私の最も大きい傷は そのオリジナルに『失敗作』と言われたことなのだから。失敗作?そう。私はあの人の最も完璧にして最も失敗した作品というわけなんだ。ああ、あれかもしれないね。ほら写真に写った自分の姿を見て、『違う』って思うことあるだろ。あれさ。それが紛れもない自分自身の姿だなんて信じられない…。そんな写真をこっそりと処分した経験、1つや2つ持っていないかい?このみっともない姿をオリジナルにどれだけさらしたところで、オリジナルは永遠に気づかないのさ。それがまさか自分の真実だとは。いや?真実…少し違うな。『こうであろうとした姿』…理想と現実がない交ぜになったアンバランスな姿と言えばいいかな。オリジナルにとってそんなコピーは苦痛以外のなにものでもないだろう?君は笑うかもしれないが今なお、私は理想を追おうとするんだ。無意識にね。オリジナルからOKサインをもらうことを考えるんだ。 ねえ、君。私は正直もうへとへとなんだ。終わらせたいんだ。 …どうしたら、いいんだろうね?
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