「へクソカズラ日記」・・・・(都市に住む野鳥たち・スズメが消えた町)
私がここに越してきたときは、早朝はスズメがチュンチュンと鳴いてやかましいほどだった。 スズメの存在は空気のように当たり前のことだと思っていたが、ここ2〜3年近くでスズメの鳴き声を聞くことは無くなっている。
早朝に目覚めて耳を澄ますと、たいていヒヨドリが鳴いていた。今はそのヒヨドリの鳴き声も珍しくなっており、未明にカラスがカーッカーッと鳴いていることもある。
原因を私なりに探っているのだが、詳しいことはわからないままだ。 複合的な要因がいくつもあるかもしれない。
まず、空家が増えていることだ。我が侘び住まいから近所の屋根をみると、たいがい5〜6羽のスズメが陽を浴びてチュンチュンと鳴いていたのに、その姿がまったく無くなってしまっている。 その屋根の下の住人は越して無人化している。人のいないとこにスズメは住まなくなるのだろうか?
その近所に名前は出せないが、臭いを放つ工場が拡張して、車の出入りが多くなり荷物の積み下ろしの音は騒音といえる。他には宅急便の車が何台も通るようになり、道幅一杯になることと、停車したり、発進を繰り返すことで渋滞するようなところではなかったのだが、そのような面での騒音。 それと、私の推測に過ぎないが2トン車の車高が高いせいか、低い2階建ての屋根からそれを見ることになるスズメには恐怖ではないだろうか?
入り組んだ生活道路をつぶさに見て回ると、一区画の9割近くに人がすんでいないようだ。中には家が消えて駐車場になっている。これではゴーストタウンではないか。この周辺が消えてしまうことになるのだろう、その事情を私はまったく知りません。
各お寺の内部には入れないので分からないが、お寺の屋根にスズメを見たことがほとんどないのは何故なのだろう?ハトもお寺の屋根にはとまらない。ムクドリかカラスぐらいが高所にとまる姿は確認している。
考えてみれば不思議なことが多い。不気味ですらある。
それから、某幼稚園の運動の時間だろうと思うが、大音量でお遊戯をしている時期が長期間にわたって行われていた。かなり離れた私の部屋に居てもうるさくてしょうがないほだった。 子供の音楽に対する聴覚がおかしくなるのではないだろうか?成長しても大音量の音楽を聴いて、周囲に気配りなどできなくなるだろう。 大人の音楽に対する聴覚がすでにおかしいと疑わねばならない深刻な問題でもある。
以上の点が私のスズメの消えた理由の問題としているところだ。
我がジャングルにもスズメは少数来る。たまに大勢で来るときもあるが、私が顔を見せるだけであっという間に飛び去ってしまうのだ。
スズメは通りを隔てた町の電線の一番高いところに、陽が昇ってから少数がぼつぼつと各所に表れ始め、一通り日向ぼっこを終えると公園などに舞い降りて採餌に夢中になっている。 この段階でスズメは群れとなっている。体の細い奴からこれがスズメかと思うほどでっぷりと太っている奴まで多彩だ。スズメの寿命ってどれぐらいなのだろうか?スズメは生涯に何羽ぐらい子供をつくるのだろうか?
侘び住まいの北側の窓にある電話線で遊ぶスズメの姿はもう見られないのだろうか? 何かおかしい。腑に落ちないものがあるのだが、わからない。
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