勢いに任せて・・・
僕は捨てた。卒業して仕事に就くために、好きだったスポーツと欲しかった結果をあきらめた。無意識だったけど、僕はスポーツをあきらめる、という選択をして、仕事を選んだ。もちろんスポーツで食ってくわけじゃなかったから、そういう選択をしたんだ。それでも、僕にとってはこの上なく痛い選択だったんだ。母を失い、友達を失い、健康を失い、時間を失った。
でもギターと、小説と、書く喜びと音楽を得た。相殺。プラマイゼロ。 でも感情は納得しない。
両立できることこそが、すばらしくて、それ以外はくずだって思った。でも人間(と一般論に始終したくないが)一番欲しいものは、その時々で変わる。そして、一番欲しいものを得るためには、何か捨てたり、削ったりすることが必要なはずなんだ。納得できないが。200%なんて無理。僕には。
だから今思うんだ。今の僕なら、思春期のころ、ギターや音楽や小説に目覚めて、すごい楽しい生活を送ったんだろうなって。そういう妄想は結構楽しい。
でも僕は、スポーツを選んだ。でもいい、それで。選んできたものすべてに意味があるって思いたい。今の自分 −それは、間違いなく泣いたり笑ったり、感謝できる、やや退屈だが、平安な日々をおくる僕は、人生史上、もっとも幸せって言える。だから、いろいろなでこぼこや、トンネルをぬけて、今ここにいる。意図しなかったが、今、ここにいる。
望ましいプロセスを経ても、まったく予期しない場所に着いたり、自分では意図していないのに、なぜか落ち着いている場所にいたり・・・不思議だ。人生って。
わかりたいことが多すぎるんだ。分析したいだけなんだ。
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