学校は、私を改造して武装していく場。私のままでは絶対にいけない。 私はそのままでいじめられ続けた、あの日々をもう思い出すことはできない。あまりにもつらすぎて。 でも、自分の感覚をなくすように迫ったのは、父であり、母だったのだ。 お父さんの双極性気分障害を、見ないようにするため。現実のカバーをかけ続けた。だまされたふりをし続けた。現実を覆って、目を半分つぶるようにして、生きてきた。 人を傷つけてはいけない。 そういうものすごい思いだった。
雰囲気、父の願い。 お父さんは、自分でも自分が、双極性気分障害だと、認めることができなかった。格好悪いから。 父のプライドのために、私は命を落としかけた。いじめで、心を殺され続けた。 でも、私の感覚は死ななかった、生きて生きてくれた。 私は大学時代に、産婦人科に、体調悪くて行った時に、ホルモンのバランスが悪くて、そして、医師に「あなたの子宮は本当にものすご〜くちっちゃいのよ、でもまあ機能はしているみたいだけど」って言われた。 そうなんだ、ずっとずっと私は自分に「女であること」を許してこなかった、人よりも上になること、女らしくあることを許せなかった、ずっとずっと自分を殺して、自分の感覚を麻痺させて、ただ人生の節目を「入学式」「卒業式」「反抗期」「思春期」「大学受験」「悩める青年時代」「やっと道が開けたふり」をただ、そう見えるように振る舞い、「パス」し続けた。 どれだけの、恐怖と不安と、怖さと怒りを内に秘めて生きてきたことか。 ずっとずっと、もう一人の子供のまま時間のとまった私は、寝ていたよ、うずくまって泣いていた、訳分からないってうずくまってうずくまっていた。でも私のもう一人の世間一般と同じように振舞い続けた私は、自分の感覚は異常で、人を傷つけてしまって、しかも「合いすぎている」から、誰かを蹴落とすものとして、感じないように、しながら、ただただ、周りにあわせて、周りにどう見えるかを考えながら、振舞い続けた。 彼氏のこともそう。ただただ出来事を世間一般なフツーの子だったら起こるような事を、息を止めて、事実を「パッシング」していただけ。 セックスする。キスする。全部大人の通過儀礼として、私の中の私は上からそうしている私を見下ろして、感じないように、して、ただただ事実をすることだけが大事なことだと思って生きていた。 でも感覚を殺せなかった。殺さなかった。生きてきてこれた。 あの日、もしも父が自死していなかったら、私は教育実習でも、自傷しても(自傷は私がどうしたらいいのかもう分からなくなったときの、恐怖の前の防衛手段、最終手段なのに)、許してもらえなかった、あの日、皆の前で意識とんだほど怒鳴られた、子供の前で怒鳴られ、職員室にまでおっかけられたあの日。私もう死んだと思う、精神はいつも学校で死んでいたけども。でも、私はわけの分からない世界を解き明かすのは、わけの分からない、一番自分の行きたくない場所に逃げずに行くことだと思ったから、行ったの。ただただ、わけの分からないこの世界を分かりたかっただけだった。そして、願わくばいじめられ続けて、そのままの私を批判され、まだだめだと責められ続けて、他の明るい子供らしい子たちと比べられ続けては、批判に晒され続けた私の位を、「恋愛も経験ずみな、誰かに大切にされてきた経験もそこそこした違う自分で」あげたかった。そんな私を姉と母にも見返してやりたかっただけなんだ。
24歳で父親が自死した。そして彼が双極性気分障害だったと知った、はじめて。そして祖母もまたそうだったとした。祖母は自死未遂したことがあったことも。そして、私がNAに一番狙い定められて、漬け込まれ、いじめられ続けた日々は、ちょうど父が高速道路で、反対車線につっこもうとか、思っていた、したかった時期だったんだそうな。そして、母はそのくらいの時に、私が車かなんかで、誰かに連れ去られる夢を毎晩見たんだそうだ。 その頃・・・・私はいつもいつもいつも人から卑しめられ、子供って言う理由で「からかいだよ!」って皆に言うあいつらをどけられなくて、ただただ、顔に虫つけられて、椅子を座る時に下げられ視界がぐるんって回って、いったかった、しりもちついて、毎日毎日「ばかあほしね」ってはたかれて、その子の気分次第で、集団にからかいの波を起させられて、皆でまってましたとばかりに、集団に思いっきりあげつらわれていた時期だった。 いじめ。 昔もあったよ。 でも、今のいじめはもう逃げられない。いじめられるのは汚いから、格好悪い・・・どこまでも追い詰めて、自死したら、笑って終わり・・・大人になってからいきなり、「かわいそうだった」とか反省するごみ人間ら。 父が自死するまでずっと私は自分の感覚をなくさせようと迫る人につかまってはいいようにされつづけた。 24歳で父が自死して本当に救われた、良かった、早く死ねよ、あのくそじじいめ、お前のプライドで私はぼっろぼっろになったんだよ、早く死ねよ、このくそが。
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