展覧会のための絵をかいてほしい と、言ってくれる人がいた。
断ろうと思った。 なんだか重荷だから。 100号くらいの絵を・・ってことらしいが 私は最近、0号のちっこい絵を描いている。 なんだか自分のやってること、絵を描くことに半信半疑なのだ。 私はほんとうに絵が好きなのだろうか? ハッキリ言って、単に世の中と戦っていく武器が絵筆だっただけじゃないか? 自分に自信の持てなかった私が、這い上がっていく為に身につけた技術。 それだけなんじゃないの?
私は真っ白のキャンバスを前にして毎度怖くなる。立ちすくむ。 真っ白のキャンバスは、それだけで美しく、真っ白の答案用紙を連想させる。
私が描いてるのを見て「ベストでなくベターでいいんだよ。」って 言ってくれた先生がいた。 私はいい作品にしたくて、あれこれ考えすぎ、絵筆が止まってしまうのだ。 いつも背伸びをして描いてるな。自由じゃないな。いい絵を描くことにとらわれてる。
私は、いつも私の全てを掛けて描いてるから、ちょっとしたマイナスの評価、ほんの少しの感想にも私の全てを否定されたようで心が凍り付く。ナイフが突き刺さる。 だんだん絵を見せるのが怖くなっていった。 絵は私の心の一番やわらかいところで描くからとても傷つきやすいんだ。
絵を描くことは私にとってテストを受けることと同じなんだな。 そして評価が怖くて描き出せないでいるんだな。 そだね。 絵を描いてきて嬉しいこともあったけど傷つくことも多かったよね。
私は自分に自信がなかった。 中学の時、「これじゃだめだ」って自分を奮い立たせて勉強や絵で他人に勝つ為の努力をスタートさせた。 大学卒業した頃、割と良い成果は得られて・・・・でも自信のないのは相変わらずだった。 自分でも冷静に考えて「私は成果をだしたのに、何で自信がもてないの?おかしいよ。」って思ってた。それでも不安な気持ちは静まらなかった。
パワーゲームをしていたから?たぶんね。今はそう思う。 まだパワーゲームやってるんだな〜。
・・・ここまでわかっても、まだこわいな。 心のどこかで殻をやぶりたいとは思ってる。
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