〈730〉のつづき
昨日私は埼玉へ練習に行ってきた。課題はもちろん前回飛べなかったフープス前のダブルジャンプ(台形の真ん中がくり抜いてある、失敗したら即前転の危ないジャンプ)だ。 結果から言おう。無事転倒することなく私は飛べました。計10回以上成功!(でもギリギリ) だけど飛ぶまでが長かった。以下その顛末。 午前中私は挑戦せず、慣れたところで体を温めておいて、午後挑戦! 目の前でへっぽこ(国際)B級が飛ぶのを観た私は「なんだ、あんなんでも飛べんだから(国内A級の)俺でも飛べるわ」そう思いつつ挑戦するも、ジャンプ手前のコーナーが滑りやすい→出口で加速が鈍い→飛び出し速度に足りない、の悪循環で、30回近く私は躊躇して飛べなかった。 「経験上そして技術上自分が飛べない距離じゃない」とわかっていても私は飛べなかった。完全ビビリである。自分でもコーナーリング中「こんなスピードで飛べんのか?」とビビッっているのがよくわかった。 例え無理して行ったところで転んでマシンが投げ出され、水没するのは目に見えている。そして体は正直だ。右手が凍り付いている。気温は暖かいのに。 「おいおい、いつまで登り斜面とお見合いしているつもりだ? 日暮れちまうだろ? こんなんじゃ屁たれのAと一緒じゃねぇか? とっとと飛ばんかい」 そう、踏ん切りつけようと何回も呪文のように自分に言い聞かせるも、飛べない。 「大丈夫、俺は飛べるんだ飛べるんだ」 いくら念じても右手は固まったままで、アクセル開けられない。 「おいおい冗談じゃないよ、先週『来週飛ぶ』って公言しちゃったんだから。嘘はつけないし、ここで飛ばないとホントの屁たれだよ。そんなんでいいの?」自分にハッパをかけるもビビリは取れない。ヤバイ。
問題は手前のコーナーだ。 それまでは「突っ込みも速く、脱出も速く」で私はとっちらかっていたが、発想を変え「突っ込みは遅くていいから、出口でグリップさせよう」と、ひたすらリアタイヤのグリップに神経を集中させて「これならいける!」と確信できるまで私は飛ぶのを待った。 そして少しづついい感じに! 「もうこれ以上待てねぇ。ここで行くしかねぇ。骨折してもかまわねぇから最後まで開けるんだ。どこまでも飛んでけぇ」 ぴょーーーーーん。3秒後、空中で私は下の着地場所を見ながら「おぉ届いたよぉ、助かったーっていうか楽勝じゃん」 そして見事に着地! 「ふ〜危なかったー。これで面目躍如ってわけだ。一時はどうなることかと思ったよ」 そして間髪入れず私は反復練習「鉄は熱いうちに打て」だ。 「気を緩めるな。躊躇せず最後まで開けるんだ」と自分に言い聞かせながら、その後連続5本成功したところで私は一休み。気分は上々。俺ってグレィト? 結局20分近く休憩した後私は5本以上飛び「今日は飛べれば合格点だから、無理せずにこの辺でやめておこう」と、無事怪我なく私は課題をクリアしたのでした。やっほー。 因みにコースでは私と同じ国内A級のライダーが2名ほど居たが、彼らは挑戦しようともしなかった。「何事もチャレンジ」がモットーの私からすると、彼らは屁たれだ。「レーサー乗っているのに挑戦しないんだったら町乗り市販車でも乗ってろ」って感じだ。 そして今回私が飛べたのも「自分で自分に屁たれの烙印を押したくない」そのプライド?と、骨折覚悟(人生投げてる?)のクレイジーさである。 こうしてまたひとつ自分に自信がつき、なんか芯が少し太くなったような感じではある(神経は図太い)が、反面、よりイカレた人間になっていくようで私はちと恐い。 次は21日。いっちょかましたろかね。
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