わたしにとって、めちゃめちゃしんどいことは、ひとりきりで「自分と対峙する時間」を過ごすこと。 テレビもつけず、本も読まず、ただ一人で部屋に座っている。 そうすると、からだの中を、虫が這いずり回るような感じで、居ても立ってもいられない。 さびしいとか、悲しいとか・・そういう感覚を超えた、もっと居心地の悪い感覚だ。
子どもの頃、田舎に居たときに、こういう気持ちになると、かまわず外へ飛び出して、 山の中にある・自分の秘密基地に逃げ込んだ。 そうしたら、ピタリとそれが止まった。 田舎には、不思議な空間がいっぱいあって、人のおもいを超えた何かが住んでいた。 影も形も見えないけれど、みんなでともに生きていると感じられて、安心してゆっくりと息が吸えた。 都会に来てから、きこえるのは、騒音ばかり。 一人きり時間が持てなくなって、「沈黙」の音を楽しめなくなった。
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