私は、ずっと演出して生きてきた。 学校でいじめられていることなんて死んでも話せなかった。恥ずかしかったし、馬鹿にされると思っていた。 それから親を安心させたかった。 Nさんって言う子に耳に蟻を入れられたときにね、私、叫びたかった。この家で「お母さん耳に今日蟻が入ってしまったの!!!!」それだけでも言おうと思った。でもそれを言ったら、今までNAにどれだけいじめられてきたかここまで出掛かってしまう、泣いてしまう。いえない・・・・いえない・・・・ いえないならば、もうこの自分の今までの運命も神も呪ってやるって思った。自分だけ自分の世界だけ生きてやろうって決心したの。それから心が何も感じなくなっていった。小学校5年生のGWの次の日の草取りの授業の前の掃除の時間(5時間目の前)に全校生徒でやったインパチェンスを育てる事業で、かぼちゃのプリンの容器に水入れたら膨らむ土壌とインパチェンスの種をへこんだところに入れて育てるやつそのインパチェンスが少し大きくなっていたかな?いや、記憶違いかも。防火で逃げるときに使う空気ホースのたたまれた無機質なねずみ色の容器の上に乗っていたクラスの鉢の中にあった、インパチェンスの花の中からNがありをとって私の顔に乗せたの。そしてその蟻が私の右耳の中に入ったの。おさげにしていたから、入りやすかったのね。その子は何も気にしてなかったし。その頃私人と現実がよく分からなくなっていたの。人が何事もなかったかのような顔すれば何もなかったんだろう・・・私の気の間違いだと思っていた、気のせいだと思うようになっていたの。もしくは、他者にとってはこんなことは大したことじゃないのかなって思っていた。でも、勇気出していったの、その頃は精一杯の勇気Nさんに「さっきの耳にありはいったよね?」って草取りの後、に言ったの。草取り中も怖くて、右耳にありが入ったって怖くて・・・・ひまあればとんとん右耳をスイミングで耳に水が入ったときのように片足けんけんやっていた。 言ったの。 怖くて保健室に飛び込もうとも思ったら・・・・Nが言った「OOOOの耳聞こえなくなるかもよ、鼓膜破れているかも」ってにっや〜って私の顔をまじまじと見て彼女ははっきり言ったの。うっれしそうだったな。「脳まで回るかもね、ありって」っていう事も言われた気がする。 現実がぐんにゃり曲がった。 ねじれた空間が。 私の身体の危害を喜んでいる人がいる・・・・・・・・・
親にも帰って言えなかった・・・・・ 私、いえない。 右耳に砂糖とかのっけて、どうか出てきてって言っていたな。 いっつもとんとんやっていた。 そればっかりやっていた。
でも遂に親にもいえなくて。私、今まで小さないじめだとかもやまずにあった、Nさんには5年の頃のクラス替えからずっと狙われたかのように、つけねらわれて、漬け込まれて、毎日ばかあほは当たり前、それだけじゃない、いっつも笑いながら頭を赤白帽子ではたかれて、マラソンで人より遅い私に「お仕置き」とか言って、つめとつめで気持ちがねじれるくらいつねられた。皮がむけた。当たり前だった。それは。皮もむけて、蚊に刺されたかのように赤くなって・・・。あの子の気まぐれなでもいついじめてやろうかっていうあの目、うかうかしていられないっていう目・・・・は私の心をいっつも警戒心でいっぱいにさせたの。
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